摘要 |
ドリフト電圧発生部(7)は、ドリフト領域(4)に形成される加速電場のイオン光軸(C)上のポテンシャル分布φが∂2φ/∂Z2>0となるように、複数の円環状の電極(2a)それぞれに電圧を印加する。こうした加速電場では、先行しているイオンよりも遅れて進むイオンに対してより大きな加速度が与えられるため、イオンパケットをイオン光軸(C)方向に圧縮する力が作用する。それによって、イオンパケットのイオン光軸(C)方向への広がりは常に小さく抑えられ、ドリフト時間を横軸としたスペクトルにおいて同一イオン移動度を有するイオンのピークの幅は小さくなるので分解能は向上する。ただし、このとき径方向にイオンが拡がって感度が下がるため、制御部(8)は感度重視の測定モード指定時には従来通り、一様な加速電場が形成され、分解能重視の測定モードの指定時にのみ、加速度が漸減する加速電場が形成されるように、印加電圧を切り替える。 |