摘要 |
炭化珪素を基板材料としたトレンチゲート型MOSFETのスーパージャンクション構造においては、炭化珪素はシリコンに比べ絶縁破壊電界が約一桁高いため、炭化珪素が高電界を維持できる反面、周辺に存在する絶縁酸化膜にも同様に高電界が印加されてしまい、従来の構造だとトレンチ底のゲート酸化膜にその高電界が印加され、炭化珪素が絶縁破壊に至る前の低い電圧にて絶縁酸化膜の絶縁破壊により素子が破壊されるという問題があった。本発明では、スーパージャンクションを構成するp型ピラー層をベース層に接する上部層とその下の下部層に分けて構成し、上部層の不純物濃度を下部層の不純物濃度よりも高くし、ピラー層の上部層と下部層の界面およびそのドリフト層との接点を、トレンチ溝の底部よりも下方に配置して、阻止状態においてn型ピラーの上部を下部よりも低電圧で空乏化することができて、酸化膜への電界抑制を、他の特性を犠牲にすることなく、達成できて素子の破壊を防止することに成功しました。 |