優れた低温靭性を有する高強度厚肉電縫鋼管及びその製造方法

摘要

降伏強さ400MPa以上を有し、低温靭性と耐HIC性がともに優れた高強度厚肉電縫鋼管を提供することを目的とする。質量％で、Ｃ：0.025〜0.084％、Si：0.10〜0.30％、Mn：0.70〜1.80％を含み、Ｐ、Ｓ、Al、Ｎ，Ｏ含有量を調整し、さらに、Nb：0.001〜0.065％、Ｖ：0.001〜0.065％、Ti：0.001〜0.033％、Ca：0.0001〜0.0035％を含有し、かつPcmが0.20以下を満足する鋼素材に、1200〜1280℃の温度範囲に加熱し保持したのち、未再結晶温度域での圧下率を20％以上とする熱間圧延を施し、熱間圧延終了後に、7〜49℃／ｓの冷却速度で冷却停止温度：630℃以下まで冷却し、400℃以上600℃未満で巻取り熱延鋼帯とし、該熱延鋼帯をロール成形、電縫溶接して電縫鋼管とし、さらに電縫鋼管溶接部に、肉厚全厚が800℃〜1150℃の範囲内となるように加熱し、ついで７〜49℃/sの平均冷却速度で630℃以下まで冷却する熱処理を施す。これにより、母材部および電縫溶接部がともに、靭性と耐HIC性がともに優れた高強度厚肉電縫鋼管となる。